わたしの毎日

2023年06月26日

カメノちゃんは今日もいい子で

元気いっぱい。

この夏の初めがカメノちゃんのいちばんいい気候、

カメノちゃんは今日も幸せいっぱい。

ごはんのホタテを、まず小屋の屋根のうえにのせておき、

水を替える。

ひしゃくで水槽のなかの古い水をすくって

バケツにかきだしはじめると、

すのこの上で甲羅干しをしていたカメノちゃん、

さいしょはむっつりしていたのだが首を伸ばしてあたりを伺い、

それからおもむろに手足を出して

水槽のなかにダイビングしようとする構えをとる。

そんなとき、

たまに失敗してひっくり返ることがあり、

水槽の中でお腹の模様を見せたまま起きようとしないことしばしば。

わたしが手で甲羅をもって起こしてくれるのを待っているのだ。

そんな信頼関係は嬉しいが

やっぱりひっくり返らないに越したことはないので

すのこの上のカメノちゃんに声をかけつつ手で甲羅をもって下の水槽の中まで降ろしてあげる。

ひしゃくで水をかきだすにつれ水位が下がる、

汚れをとりのぞきながら水を半分くらいにしてしまうと、

こんどはホースで新しい水を入れる、

カメノちゃんの

ごはんのつぎに嬉しいひととき、

ホースから出た澄んだ水がカメノちゃんの周りをしぶきをたてて満たしていく。

水槽のなかをおよぎまわってごはんを待つ。

さいきんの出来事を思い出す、

お父さんのところにトコブシという鮑に似た貝が送られてきて、

いつもはお父さんが煮ているのだが、

今回はわたしが椎茸で出汁をとってやや上品にといつもより薄味で煮た。

美味しくできたので、また、沢山できたので、

プラスチックの使い捨てパックにつめて、ご近所さんのところへ

お裾分けにいく。

もう遅いから帰っているだろうと思ったのに、

いつもゴミ捨て場を掃除してくださる

斜向かいの方にさしあげようと思ったら留守だった、

そうだ、お隣りさんなら、

このあいだバレンタインの義理チョコをさしあげたらお礼のメールをくれた。

呼び鈴を押して名乗るとご主人が明かりのなかに現れた、

わたしがトコブシの入った透明なパックを差し出し、ほんのちょっとですがお酒の肴にでも、というと、

すると、いいんですか、と嬉しそうな顔をして、

美味しそうですね、という。

そんな温かな言葉をもらったわたしは、よかったです!

本心から明るい口調、

素敵な夜だった。

ホースで水を入れおわり蛇口を止める。

カメノちゃんはごきげん、

待ちに待ったごはんの時間だ、

ひと口ずつホタテをさいてあげると、ひと口ずつぱくりと食べる。

さいしょは周りのひもの部分を、つぎに内臓、

そしてさいごにいちばん美味しい貝柱の部分をあげる。

美味しそうに勢いよく食べて完食。

今日もえらかったね、

たくさん食べてくれたね、

いっぱい褒めてあげるとカメノちゃんはもっと褒めてもらおうというのか、

ごはんの残りをさがして綺麗にさらえる。

小屋の周りではシジミチョウが

青い羽根をひろげたり畳んだりして、その青い色を見え隠れさせる。

幸せの色を感じる。

ああそうか、長い旅路を終えてみると、あんなに探していた青い鳥は家のなかにいたんだっけ。